Salon : Atelier Live

「ココはドコ、ワタシはダレ」

これは幼い頃から心の中によく出てくるフトした思いです。
私はこれを知りたいがために制作という行為を行っているのかも知れません。
宇宙について考える、生命について考える、電気とは、電子とは等々様々なことに触れ将来について考えていました。その中で特にはっきりとした目的の無い興味本位の大学受験の手だてとして触れたデッサンという行為に今まで経験したことの無いワクワク感とリアリティを持ちました。それを起点にデザイン、版画、油絵、素材研究、空間造形、立体と変遷そしてそれらを複合した作る(創る)という行為に出会いました。この行為とそれに関わる思考に何かしらの実感を覚え、それは時を経るごとに強く、定かになって来ています。この空間の存在意味、そこに存在する自身の意味、私の知りたかった(感じたかった)ことがこの行為により私の中に蓄積されていると考えていいのかも知れません。確かに作品について考えている時、作っている時、自身の存在を少なからず実感できている事は確かです。
何かを作ること(制作)は私にとって目的ではなく、私を構築する、理解する手段であるといえます。真摯に向き合うという条件のもと、とても有効で自然な手段になりえています。
この感覚が続く限り私は制作を続けて行くことでしょうしまた必要性がなくなれば制作することもなくなるでしょう。
私が制作という行為に縛られる訳でもなく、制作という行為が私を縛ることもなく。

梶浦徳雄サイン